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2021年3月時点で、日本の マネーストック(M2) はずっと右肩上がり。金融機関から実体経済へ、お金がじゃぶじゃぶ流し込まれている状況です。アベノミクス+コロナ後の追加緩和で、デフレの30年に慣れていた日本人にとっては、ここから 「インフレの時代」 へ転換していくフェーズに入っています。


そもそも「マネーストック」とは?
金融機関から世の中に出回っている通貨の総量のこと。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(=金融機関・中央政府以外の経済主体)が保有する通貨量の残高。銀行が積極的に貸し出しを行うとマネーストックは増加し、世の中に出回っている通貨量が増える。一般的には景気が良くなる方向。ただし、増えすぎると物価が上昇(インフレ傾向)してくる。逆に、銀行の貸し出しが減るとマネーストックは減少し、世の中に出回っている通貨量が減る。一般的には景気が停滞する方向。2008年6月公表分から、名称を「マネーサプライ」から「マネーストック」へ変更。指標の定義:
M1 = 現金通貨+預金通貨
M2 = 現金通貨+国内銀行等に預けられた預金
M3 = M1+準通貨+CD(譲渡性預金)
公式の統計は日銀の マネーストック統計ページ から確認できます。
M2が増え続ける=インフレ誘導の土台ができている
マネーストック(M2)は2021年3月時点でも増加が続いています。金融機関から実体経済へ、どんどんお金が流されている状態です。日本は物やサービスに対する購買意欲が低い(需要が弱い)国だったため、長らくデフレが続いていました。
しかし、2013年からのアベノミクス+コロナ後のさらなる量的緩和 でここまでマネーストックが膨らんでくると、株高による資産インフレと、企業の値上げによる物価インフレが起きる土台が整います。ついでにバイデン政権は「ドル高政権」とも言われていたので、ドル高・円安傾向になれば、輸入物価の上昇というかたちでさらにインフレが進む構図でした。

↑のような 緩やかなインフレ が起きてくれることを祈っています。インフレは、政府や企業にとっては 債務の実質目減り+値上げで売上増 という良い政策ですが、一般庶民にとっては「現金の購買力が下がる」苦しい政策です。
デフレの30年間は、ある意味で庶民が幸せだった時代とも言えます。企業は苦しかった分、一般人は物を安く買えていましたし、現金預金もそれなりに有効な手段でした。しかし、ここからは インフレの時代。運用を覚えている人にとってはインフレ対策が効果を発揮しますが、現金預金しかできない人にとっては「通貨の目減りを指をくわえて見るしかない」厳しい時代 に突入していきます。
その後どうなったか(2022〜2024年の振り返り)
- 2022年:エネルギー・食料品を中心に 輸入物価が急上昇。日銀の指数で見ても消費者物価指数(CPI)は前年比で4%近くまで上昇
- 2022〜2023年:米FRBの大幅利上げで 日米金利差が拡大、円安が一気に進行(1ドル150円台到達)
- 2024年3月:日銀がマイナス金利政策を解除、その後も段階的に利上げ方向へ転換
- 2024年以降:賃上げ・春闘の上振れと相まって、「インフレが現実のもの」になりつつある
「マネーストックが増え続ける → いずれインフレが現実化する」という当時の見立ては、結果として的中したかたちです。だからこそ、これから先も 運用=インフレ対策 としての視点で組み立てていく必要があります。
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※ 本記事は 2021年3月4日 時点のマネーストック動向をベースに、その後の経過を加筆しています。最新のマネーストックは 日本銀行 マネーストック統計 で確認できます。
