ビットコイン6万ドル突破の本当の意味|お金バラマキ時代のインフレ対策と日本人が知るべき本質

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2021年3月、ビットコインが 初の6万ドル を突破しました。テスラがビットコインを採用、ETFが続々と上場——投機マネーも含めて、いまの暗号資産バブルの裏側には 「お金バラマキで価値が下がっている各国通貨からのリスクヘッジ」 という構造があります。ビットコインそのものを推す記事ではなく、その値動きから「いまの世界のお金の状態」を読み取る ための記事です。

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前提としてお読み下さい

前提として、私は仮想通貨のビットコインを勧めているわけではありません。お札をばらまいても、物とサービスが買われないとすぐに物価高にはなりません。経済や現代金融を学ぶうえで仮想通貨も一つの材料として知っておくべき、という意味で取り上げています。世界の経済サイクルは、過去最大の金融緩和とお札のバラマキで リフレからインフレ局面 にさしかかってきています。日本人がしっかりと知識をつけて、インフレ気味の推移ならば、自分と家族のためにインフレ対策となる資産を持って資産を守るべきだと考えています。

金融は少数派の意見が大事

選挙なら多数派が勝ち、勝った多数派の意見が正しい、というのが一般的な感覚です。しかし 金融の世界では、多数派の行動が間違っていることのほうが多いのです。なぜなら多数派は金融や経済の勉強をほとんどしていないからで、奥深く知っている少数派の意見の方が結果として正解、というケースが多々あります。金融の世界では、日本の常識が世界の非常識、ということもよくあります。お金も家族と同じくらい大切なものですから、家族のためにお金の考え方の基本を勉強するべきだと思っています。一人でも経済・金融の知識をつけるお手伝いができれば嬉しいです。

ちょっと長いですが、よろしければお付き合いください m(__)m

日本の金融教育

ビットコインが初の6万ドル突破

ビットコイン6万ドル突破
Yahoo!ニュース
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ビットコイン(仮想通貨)の価値がぐんぐん伸びています。テスラが社財として保有を発表したり、ビットコインETFが米国・カナダで承認されたりと、実需面の材料もありますが、欧米では 国民へのお金バラマキの副作用対策(リスクヘッジ) としてビットコインが買われている側面が大きいです。投機マネーも当然入っていてマネーゲームの側面は否めませんが、それでも ビットコインが上がっている本質に、日本人は目を向けるべきです。

日本人は、仮想通貨を「得体の知れないもの」「円ではないからただの博打」と思っている人が多いです。円を多く持つこと=貯蓄が美学、という価値観の中で、ビットコインがなぜここまで上がっているかの本質を調べようとも理解しようともしていません。仮想通貨がこれだけ上昇しているのは、世界各国でお金バラマキが進み、その分 各国通貨の購買力が下がっている からです。

日本は経済成長率が世界で最下位レベル

日本はここ30年、名目GDP成長率が世界の主要国でほぼ最下位です。しかも、ダントツで。1980年代後半に世界一のGDP国家になった経験を考えると、ふつうに悲しくなる数字です。政治家のかじ取りミスもあるとは思いますが、これは国民側の金融リテラシーの問題でもあります。

日本のGDP成長率最下位

「みんなで円を貯め込もう合戦」になると、社会全体で需要不足が起こります。需要不足・供給過剰の状態はデフレーション(物価下落)を生む——これがいわゆる「デフレスパイラル」にハマっていた日本の構図です。誰かの消費は誰かの所得なのですから、貯蓄合戦は消費を減らし、経済が回らなくなり、当然悪化します。先進国でありながら金融や経済に興味を持つ人が少ない結果、日本の資産はじわじわと外国人投資家の手に渡ってきました。ある意味で 「金融平和ボケ」 と言えます。

ダイヤモンド・オンライン
日本の経済成長率が「世界最低」である、バカバカしいほど“シンプルな理由” 世界最低の経済成長率――。これが、日本が置かれている厳しい現実だ。中野剛志氏は、第二次世界大戦後、世界で初めて日本はデフレに陥り、20年もの長きに渡って克服すること...

ここ10年の世界の金融政策の流れ

ざっくり整理するとこうです:
① リーマンショック(2008〜2009年)
② 大規模な金融緩和政策
③ アメリカは数回の利上げ(2015〜2018年)
④ 日本は超低金利を継続
⑤ 2020年 コロナパンデミック発生
⑥ 世界の中央銀行が金融緩和を一気に拡大
⑦ 政府も国債を増発
⑧ 国民や企業に直接お金をバラマキ
⑨ 株価はバブル気味に推移


簡単に言えば、中央銀行と政府が 金融緩和+財政出動 を同時に行い、「不景気の株高」=金融相場を人為的に作り出す政策が世界中で続いてきた、ということです。これにより企業の財務改善・雇用拡大・消費促進・景気刺激を目指しています。同時に 通貨価値を相対的に下げる=政府の実質債務を減らす、というのも目的のひとつです。

この政策で世界中がインフレ気味に推移

この過去最大級の世界同時金融緩和の結果、世界中が インフレ気味(モノの価格上昇) に推移しました。お金と物は天秤関係にありますから、お金の量が増えればお金の価値は下がります。これがお札ばらまきの副作用です。もらった瞬間に、お札の価値そのものが目減りしているわけです。以前にこの副作用をまとめた記事を書きましたので、よければ合わせてご覧ください。

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金融知識がある人はインフレ・リスクヘッジを行っている

通貨の価値が下がる傾向にあるため、世界中の金融機関や投資家は、その通貨下落リスクをヘッジするために インフレ対策資産 を保有しています。だから世界のインフレを先取りして、株・ビットコイン・コモディティ(金・原油・穀物) が同時に上がっているのです。意味なく上がっているのではなく、通貨価値の下落分を、インフレ対策資産でカバーしているのが本質 です。

現在のドル円レート 1ドル=109円

為替を見ても、アメリカでは将来のインフレ懸念から長期金利が上昇気味で、1ドル=109円まできています。バイデン政権がドル高を望んでいる側面もあり、円の価値はじわじわ下がっています。物価高が来ればさらに実質的な円安が進みます。円の購買力は現在進行形で下がっています。皆さんの貯金は、額面は変わっていなくても、実質目減りしています。お金をばらまけば、当然その通貨の価値は下がります。

政府・企業はインフレで得をする。一般庶民はインフレに弱い

過去にドイツやロシアでインフレでどれだけの人が苦しんだかを、私たちは知るべきです。これらは財政破綻によるハイパーインフレで極端な例ですが、近年でもジンバブエやアルゼンチン、トルコでインフレが深刻化しています。第一次大戦後、ベルサイユ条約の多額の賠償金 でマルクの価値が暴落し、インフレで苦しんだドイツがその後ナチスを生み、他国を侵略する道に進んだ歴史 から学ばないといけません。デフレのときは物が安いから生活が楽ですが、インフレになると物価が上がり、特に庶民の生活が直撃を受けます。

アルゼンチン中央銀行は12月4日、国内外42人の民間エコノミストを対象に実施したアンケート結果に基づき、最新の経済見通し(REM)を発表した。経済成長率の見通しは引き上がったが、物価上昇が加速するとの見方だ。

不安をあおるつもりはありません。日本にいま財政破綻リスクは低いです。日本の借金は 国内の円建て国債 で、対外純資産は世界一の国。日銀が政府の借金の大半を買い取っている状況では、ハイパーインフレ的な財政破綻は通常起きません。ただし、インフレが進むと、インフレ対策をしていない国は、対策をしている国から一気に資産を巻き上げられて、相対的に貧しくなる、と経済学者は警鐘を鳴らしています。

私もそう思います。日本の株式の多くを外国人が保有していますから、インフレ局面の株高で日本の資産が外国人に巻き上げられていきます。政府は対外純資産を持っているのでインフレで借金が実質的に減るため、自民党はインフレ誘導政策を採っていますが、問題は政府ではなく 一般国民がインフレ税で強制的な税徴収を受ける可能性 がある、ということです。「インフレ税」で検索して、ぜひ調べてみてください。

緩やかなインフレは経済成長になる

インフレ自体が悪いわけではなく、緩やかなインフレは経済成長の源泉 です。政府はばらまいた債務(借金)が目減りするので大歓迎。企業は値上げと価格転嫁がやりやすくなり、持ち合い株式の評価益で財務改善と収益改善が進みます。

問題は、インフレが一般庶民には苦しい政策だということです。物価が上がるのに所得が追いつかないため、生活が圧迫されます。現金預金は実質金利が大きくマイナスになるので、お金は増えるどころか目減りします。デフレの方が生活はしやすく、インフレは庶民にとっては怖いのです。

日本人はインフレ対策をしない

日本は「現金預金が正しい」と思い込み、大半の人が円貯金を素晴らしいことだと信じています。ここ25年のデフレ時代は確かにそれでも問題ありませんでしたが、インフレトレンドが来ると一気に経済が苦しくなる と言われています。理由はシンプルで、インフレは通貨の価値が下がるので円貯金は目減りして当然だからです。

これは日本の教育の問題でもあり、子供たちに金融教育・経済教育をしないまま大人になり、その大人がまた次の世代に同じ価値観を教える 悪循環 のせいで起きています。インフレは貧富の差を激しくし、対策をしないと一気に貧しくなる構造 なのです。

逆に、インフレ対策をしている国はインフレで豊かになる国も出てきます。アメリカ・スイス・イスラエル・インドなどは金融教育が盛んで、国民の金融リテラシーが高いです。実弾の飛ばない経済戦争の時代、金融リテラシーが高い国が低い国から資産を巻き上げる構図になっています。アメリカ人のポートフォリオは 現金40%程度、残りは株・債券・REIT・投資信託 といった分散構成で、インフレ対策が組み込まれている。だから株高相場で国民全体に余裕が生まれ、その余裕が消費に回り、消費は誰かの所得になり…という良い循環が回ります。

ビットコインそのものではなく、本質に気づくこと

政府がお金をばらまき、中央銀行が異次元緩和でお金の量を増やせば、世界中がインフレ気味に推移するのは間違いありません。だから対策が必要です。その対策は、円1点集中の貯金ではありません。株・ビットコイン・コモディティが上がっている裏側には、「通貨価値の下落」があります。

「コロナでなぜ株価が上がるの?」「10万円もらってラッキー!」「定期預金は少し金利が高いからお得?」「国債は金利が高いからお得?」——こうした感覚は、いまの環境では 金融的にかなり危険 です。実質金利マイナスのインフレ局面では、そのレベルの金利はインフレ率にすぐ吹き飛ばされます。複利で計算しても、実質金利がマイナスならトータルではマイナスです。

さらに、「金利が高い=お得」と思ってしまうのも要注意。金利が高い=その国・通貨の 信用力が相対的に低い、というのが金融の常識です。昔から「ミセス・ワタナベ」(高金利通貨を買う日本の主婦投資家層)はヘッジファンドのカモにされてきました。トルコリラ円のスワップ金利狙いや、新興国通貨のFXで、どれだけの人がインカムゲインを得ながらキャピタルロスで大損したか。金利狙いのインカムゲイン派は、最終的にキャピタルゲイン派に巻き上げられます。リスク資産の運用の本質はキャピタルゲインを取ることが基本です。

トルコリラ円の暴落

毎年もらえる金利が高くても(インカムゲインがよくても)、トルコリラ自体の値下がり(キャピタルロス)で大損する——金利の本質はこういうものです。リスク資産運用の本質はインカムゲインではなく、キャピタルゲイン狙い が基本です。

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お札をばらまいて経済がよくなるなら、毎年やっている

お札をばらまくだけで経済がよくなるなら、毎年やっているはずです。お札のバラマキには経済への副作用がある、というのは以前から経済学で言われていました。実際、コロナという経済をストップさせるパンデミックが起きたため、最終手段として使われたのが今回の規模感です。むしろ、債務が積み上がっている国は「いいチャンス」と思ってインフレ誘導したい局面でもあります。副作用はもう受け入れるしかありません。同じお金バラマキでも、年金や生活保護を一切やめて全国民に一律支給する「ベーシックインカム」は別の制度設計なので意味合いが違います。

インフレで得をするのは 対外純資産や実物資産を持っている政府・企業インフレで最もまずいのは、世界一の現金預金大国・日本の国民です。目減りしていく現金保有を頑なに続けるのですから。大勢が間違った行動を続けると、日本は一緒に貧しく沈んでいきます。円の価値が下がれば、円貯金の価値も同時に下がります。さらに、これから日本は 人口減少社会。労働人口(供給者)が減るのですから、需要と供給のバランスから言ってもインフレ方向。だからこそインフレ対策が必須です。本来であれば、安倍政権が「インフレターゲット2%」を掲げた2013年頃から対策を始めるべきでした。

日本国民は日本の資産を守らないといけない

↑この動画はとてもおすすめです。勉強してみてください。

日本の株式は、かなりの割合を外国人が保有しています。日本人が一生懸命働いて育てた大企業も、最終的には資本力のある外国人投資家においしいところを持っていかれて、会社ごと売却される事態にもなっています。東芝メモリやシャープは外資系に。タカタは破綻。日本のハイテクな技術を、結局日本は守れませんでした。海外であれば、国民がロビー活動を起こして自国企業の外資売却に反対するでしょう。

これから日本を背負っていく世代の人たちが、経済・金融リテラシーを上げていくこと が、日本を守る一つの手段だと思います。まずは、お札バラマキの副作用が来るこの局面で、日本が外資にどんどんお金を吸い上げられるのを防ぎたいものです。正直、もう手遅れの面もあるかもしれませんが、できるだけ多くの人が 緩やかなインフレでの経済成長と、運用・金融の基本を身につけて、豊かな国に戻していく ことを願っています。

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