政府の直接給付を喜ぶべきではない理由|お金バラマキの副作用とインフレ税を完全解説

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コロナ禍では各国政府が 現金給付・持続化給付金などの「お金バラマキ」 を大規模に行いました。アメリカに至っては3回も国民への直接給付を実施しています。受け取った瞬間は「ありがたい!」と感じるのですが、長期的には経済への副作用 があり、最終的に庶民に重い負担として戻ってきます。この記事では 「インフレ税」 の話を中心に整理します。

グラフを引用させてもらいました m(__)m

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お金バラマキの構図

コロナ対応で、政府は現金給付や持続化給付金などのお金を世界中で国民にばらまきました。アメリカは特に3回も給付を実施しています。「お金がもらえてラッキー」と感じている方も多いと思いますが、それは 短期的な話。景気対策の一環として、一時的には収入や事業を支える効果は確かに大きいです。

しかし 長期的にはこのお金バラマキには経済への副作用があります。中央銀行の異次元金融緩和と政府の財政出動(給付金を含む)の組み合わせは、マネーストックを膨張させ、最終的にインフレ税として国民に返ってくる、というのが経済学の基本です。

もらったお金はもちろんありがたいのですが、「タダほど高い物はない。見えないものほど怖いものはない」という言葉のとおり、異次元の量的緩和や財政出動、お札のバラマキの副作用は 必ず国民に跳ね返ってきます。しかも、いまはちょうど経済サイクル的に インフレ方向への誘導局面 に入りつつあります。あらかじめ対策をしておかないと、もらったお金は気づかぬうちに失われていきます。特に金融や経済に弱く、世界一の貯蓄率と言われる日本人にとっては苦しい局面に入っています。その理由を以下で説明します。

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国債の追加発行により財政はさらに悪化

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新型コロナウイルス感染拡大に伴う追加対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算が、12日の参院本会議で賛成多数で可決・成立した。予算規模は過去最大の 31.9兆円。コロナ対応の経済対策の事業規模が 234兆円とGDPの4割に達する中、国債の追加発行により財政状況は悪化する。

第2次補正の財源は全て国債の追加発行で賄うため、20年度の新規国債発行額は31.9兆円増の 90.2兆円、一般会計予算の歳出総額は 160.3兆円、公債依存度は 56.3% とそれぞれ過去最高を更新する。

コロナ対策の追加財源は追加国債発行

コロナ対策の財源は、もちろん 国債の追加発行 です。国債発行は「未来の日本、未来の子供たち」に借金をすることなので、もらったお金は将来必ずツケになって返ってきます。 そしてこのバラマキの本当に怖いところは、政府にとって「通貨の価値を下げる口実」が出来ることです。

国の債務が大きく膨らんでくると、政府は 通貨の価値を意図的に落として実質債務を減らそう とします。バブル時代の1988年からの5年間は政府の財政収支が黒字となり、赤字国債の発行も減少しました。逆に債務が増えてくると、インフレ誘導により国民から政府へ資産を移す「インフレ税」 で穴埋めしようとします。国民にとってインフレは怖いのです。

「インフレ税」とは?

インフレ税とは、実際に税金が課税されるのではなく、インフレーションによって財政赤字を解消させること。政府は貨幣の発行特権を持っているので、財政赤字を埋めるために通貨を大量発行すればインフレとなり、民間が保有する貨幣価値が実質的に下がり、その分、政府や債務者の債務は実質的に目減りするという仕組み。民間から政府への所得移転が起こる。

インフレになっても実物資産は目減りしないことから、インフレ税のことを「通貨保有税」などとも呼ぶ。

日本の国債の大半は日銀が買い取っている

日銀の国債保有比率

これだけ国債を増発しているのに10年物国債(長期金利の代表)の金利が長らく上がらなかったのは、日本の借金の大半が円建ての国債で、しかもその大部分を日銀が買い取っている からです。さらに、日本は国民の貯蓄率が世界一クラス、対外純資産も世界一なので、これだけ国債を増発しても低金利でなんとか推移してこられました(最新の金利は ↓ で確認できます)。

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本来であれば、潤沢な金融資産を持つ「お金持ちの国 日本」なのですから、国民がお金を市場(株式・投資・消費)に出し、政府がしっかり財政出動をして経済を回せば 「30年間世界で経済成長していない唯一の先進国」 と呼ばれるはずがないのです。ところが、日本人は金融リテラシー・経済リテラシーが弱く、「とにかく貯蓄が大事」が常識になってしまっています。

自虐史観を煽りたいわけではありません。もっと金融全体を勉強して、日本企業の株式などをしっかり 資産の一部として保有し、インフレ対策をして欲しい のです。これだけの貯蓄があるのですから、お金を回せばデフレ25年・30年は続かなかったし、増税も最小限で済んだはずです。それでも「銀行預金が一番安全」という認識が一般常識として根付いているため、結果的に30年の経済成長を止めてしまったとも言えます。

日本人のこの間違った経済知識が、お金の流れを止め、増税や将来のインフレ税による実質的な貧困化を引き込みます。せっかくの資金を外国にどんどんばらまいているのを見ると、率直に悲しい気持ちになります。三橋貴明先生や上念司先生の話が参考になります。

個人がやるべきインフレ税への対策

  • 現金預金100%を卒業する:少なくとも資産の一部はインフレに強い資産(株式・REIT・外貨建て・コモディティ)に振り替える
  • NISA・iDeCoを最大活用:非課税で長期に積み上げる仕組みを必ず使い切る
  • 輸出企業・グローバル銘柄を組み入れる:円安局面で恩恵を受けやすい
  • 固定金利の住宅ローンがある人は強い:実質的な返済負担が目減りする
  • 給料が物価上昇を超えるかを見る:上回らない業界・職種にいるなら、副業や転職も含めて手を打つ

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