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2024年から 新NISA がスタートしました。「とにかく満額やっておけば安心」みたいな空気が支配的ですが、私は 株式・経済サイクルの観点から、いまの初心者が一気に儲かるとは正直思っていません。その理由を経済サイクル+金融政策の両面から解説します。
※ 本記事の内容は、一部の図解を抜粋して使用しています。
前提:天井や底は誰にもわからない
運用商品にはこんな選択肢があります

こんなイメージで考えています。
まず投資信託の理解から

元本保証ではない

元本保証されている商品は、基本リターンがありません。微々たる利回りしか付かない商品が大半です。
運用ができる人は、元本保証型ではなく リスクのある側 を選ぶはずです。
「リスク」を誤解している人が多すぎ
「リスク」は悪い意味で捉えられがちですが、本来は 「結果が不確実」 という意味です。
良い方にも転ぶ/悪い方にも転ぶ — これがリスクです。
「リスク=損」みたいな捉え方をするから、日本全体や各個人が貧乏になる方向に進むのです。リスクという言葉だけにビビっている人が無駄に多すぎる ように感じます。
子供を大学に行かせる、という意思決定だって、将来は不確実なのに「大学に行く価値の可能性」に賭けて送り出しているはずです。投資もそれと同じ構造です。

円安・インフレの時代は、預金の目減りが速い

- 国内株に投資する投資信託
- 世界株に分散する投資信託
- 新興国株に投資する投資信託
- 米国IT企業に投資する投資信託
- 債券と株を混ぜ合わせるバランス型投資信託
- REIT(不動産投信)中心の投資信託 など
本当にたくさんの種類があります。
投資信託に組み込まれているもの




株式が組み込まれている投資信託
- 株式が組み込まれている投資信託は、
- 当たり前のことですが、
- 株が上昇するときには儲けが大きく
- 株が下落するときには損失が出ます。


2019年から +50%増えている優良な投資信託(例:S&P500、オールカントリーなど)。
ただ 「世界株に分散しとけば安心」みたいな感覚で買っている人は、いつか痛い目を見ます。それはリーマンショックで底が深く、その後の10年が異常に良かっただけで、これからも同じ角度で上がる保証はどこにもないからです。
「過去成績が良いから今後も大丈夫」は危険
過去成績が良かった投資信託を「成績がいいファンドだ」「ここまで儲かってきたから今後も大丈夫」と判断して買っていくと、当たり前ですが いつかババを引きます。なぜなら、上がったものはいつか下がる からです。ババを抜かれないようにしないといけません。

株を含む投信を持つなら、株式の理解が必要
私自身は投資信託ではなく、株式を直接運用しています。
だから株式の動きには詳しいですし、株式のサイクルも体に染みついています。
「株式がどういうときに上がり、どういうときに下がるのか」を、20代でかなり勉強しました。いま現在の相場が、どのサイクルにいて、次にどのサイクルへ移っていきそうか、感覚的に読めるようになっています。
ポジションを大きくしすぎないので、「だいたい」分かっていれば十分 です。

↑ 上記、他サイトより参考画像を抜粋させてもらいました。
2009年からの金融緩和を理解しよう
① 2008〜2009年 リーマンショック
② 対策として、世界中が低金利に転換
③ 大規模な金融緩和を2020年まで継続
④ 金融相場のおかげで
⑤ 株式は10年以上にわたって右肩上がり
⑥ いわゆる「不景気の株高」
⑦ 不景気だったからこそ、株を無理やり上げにいった
⑧ いまは景気過熱で、物価高を止める局面
⑨ 金利を上げる局面に入っている


いつも株が上がるなら、誰も苦労しない
「世界株投信を買えば、お金が増える」——そういう錬金術のような相場が永遠に続くことはありません。ごく当たり前のことです。中級者・上級者は、疑心暗鬼になりながら株式からお金を引く準備も始めています。一方で、初心者は「とにかく積み立てておけばOK」と考えていることが多いはず。
ここ10年はリーマンショック後の大規模金融緩和が続いていたため、誰でも儲かる相場が成立していました。だから「ここ10年は黄金期だった」とよく言っています。新人の銀行員でも儲けさせられました。
今後は 二極化 していくはずです。
2007年〜2009年のリーマンショックを経験している人は、下落トレンドに入ったときの怖さを知っているはずです。

こんな高値で「新NISA」が始まる

2013年から日本株は上げ相場。
2014年に旧NISAが開始 — これはタイミングとしては優秀な政策でした。
素人の日本人でも乗っているだけで稼げる相場でしたから。
※ 最初の NISAが始まった時期は、金融緩和が始まったばかりのタイミングだったのです。

新NISAは世界の金融引き締め時期に始まる
金融引き締めとは、お金の価値を上げる行動。金利を上げて、加熱した景気を冷やしにいきます。
そのタイミングで 投資枠を大きく拡大 する——これが新NISAです。
金融リテラシーがない初心者が新NISAで買いまくれば、痛い目を見る人が大量に出る、と私は確信しています。
① 世界中で金融緩和
② コロナでお札をばらまく
③ 政府が財政出動
④ インフレ誘導
⑤ 物価高
⑥ インフレ抑制のために
⑦ 金融引き締め局面入り
⑧ そのタイミングで投資枠拡大(新NISA)
⑨ 金融知識がない一般人が高値で買いまくる
⑩ 高値掴み
⑪ 外国人投資家は、日本人が買いまくるところで売ってくる
こうして日本人が搾取される構図が見えるからこそ、金融教育を本気で進めたいのです。
岸田総理が池田勇人に憧れているのは分かるが…
岸田総理は池田勇人の流れを引く宏池会の派閥ですから、「国民所得倍増計画」 に憧れるのは分かります。資産所得倍増プランの旗振りもその文脈。
ただし、今は株価がかなり高く、初心者には危険な相場です。世界の金融政策は引き締め局面。岸田総理は、何を考えてのこのタイミングなのか…正直、疑問です。

金融知識がないまま、仕組みだけを拡大したら、大損する人が増える はずです。
投資家だから分かる、NISAの弱点
NISAには弱点があります。
NISAという「枠」にとらわれすぎて、どうしても長期投資になり、損が出ても切れなくなる。 ダメな投資をしてしまっても、利食いのチャンスがあっても、「NISA枠だから売るのもったいない」 と判断が鈍る、という構造的な弱点です。
投資家は損が出たら損切りが鉄則。NISAの「枠」がその判断を邪魔することがあります。
NISAは基本的に 利益が出てこそ意味がある制度。利益分が非課税になるからです。本来は「安く仕込んで高く売る」が長期投資の王道。
いくら株式で積み立てても、「NISAだから売却するのもったいない」というスケベ根性 を持っていると、最終的にお金は増えません。
賢い人は、長く積み立ててきた株式でも、サイクルの天井が見えてきたら一度売却します。
本当に知識がない日本人に、仕組みだけを提供しても、うまくいかないと感じています。

金融の世界は「日本人が買い出したら終わり」
金融の世界では、「日本人が買い出したら終わり」 と昔から言われています。私自身、本当かな〜と思いながら20年ほど相場を見てきましたが、本当にそうなっていると確信してきています。日本人は本当にいいカモにされ続けています。
例えば、金利の安い 米国債は日本人が買い持ち、日本株は外国人が大量に保有している、というねじれた構図。アベノミクスで儲かったのは 日本の大企業と投資家と外国人 です。日本人は目減りする円を持ち続け、値上がりするもの(日本株・海外株)は外国人がしっかり持っていた、ということです。
その結果、日本は世界と差をつけられ、低金利が続き、各国との金利差から強烈な円安となり、円預金を持っている人はさらに苦しくなり、経済成長もしない——というサイクルにはまっています。
金融知識がないのに資産だけ持っている日本人が多いところに、こういう新NISAの「枠」をエサとして与えたら…?

新NISAが始まると、上級者は売り抜けにかかり、初心者は買い始める と思います。
マーケットは、日本人が儲かるようには構造的にできていません。外国人投資家のあいだでは「ミセス・ワタナベが市場に入ってきた」と言われると、食い物にされる、というのが昔からの構図です。2007年〜2008年に高金利通貨好きだった日本人が、トルコリラ・南アフリカランドのスワップ金利狙いで、金融の世界でほぼ全員焼かれました。同じことが起きないと言い切れる根拠はありません。
マーケットは、ユダヤ資本や金融先進国側が儲かるように設計されています。
日本人が大勢買い始めるところは、決して良いタイミングではないのです。
だから、物価高のいまのタイミングで、新NISAを使った運用を「いまですよ」と勧める銀行員が一気に増えるようなら、それは 相場が崩れるサイン でもあります。
投資信託の買い方(楽天証券の場合)

投資信託を 銀行 で買うのは、ネット証券ユーザーから見るともったいないです。手数料を数%も銀行員にプレゼントしたい人は銀行でもよいかもですが…
数%の手数料を取られると、運用で多少勝ってもトントンにしかなりません。
「数%払ったから売るのもったいない」→ 間違いを認めない → 銀行員を信じる → ダメなパターンにハマっていく、というルートに入りがちです。
そもそも銀行は取扱う金融商品が少なく、銀行の利益になる商品を売ってきます。あなたの利益は二の次です。
そして決定的に、銀行は銀行業務のプロであって、投資のプロではありません。

金融商品を勧める銀行員も、もちろん全員が悪い人ではありません。ただ、銀行と自分の営業成績のために必死に営業してくる 構造があるのは事実。手数料が稼げれば、相場の天井でも構わず売ってきます。高値でも平気で買わせます。
金融の世界では「3人自殺させて一人前」みたいな言葉が存在するとも聞きます。彼らもノルマと評価で生きていますから、他人のふんどしで確実に利益を取りに行く、というのが現実的な姿。損が出るころには転勤族でいなくなっている、というケースも珍しくありません。
これを「親切で勧めてくれている」と思っているなら、ちょっと頭が花畑かもしれません。

詳しくは語りませんが、賢い人は ネット証券 から買います。
・手数料が圧倒的に安い(ノーロード投信が大半)
・商品数が多く、自分で選び放題
・信託報酬も微々たるものに抑えられる商品が多い
・機動性が高い(逃げたいときに逃げられる)
・自動積立/停止もシステムで自由に
楽天証券・SBI証券がおすすめ
ネット証券で取扱商品数の多さで言えば、楽天証券かSBI証券。新NISAをやるならどちらかで口座を開くのが鉄板です。

投資信託の買い方は2種類:
・スポット購入:自分の好きなタイミングで、好きな金額を購入
・積立購入:一定間隔で機械的に積み立て(ドルコスト平均法)
投資信託は「目論見書」を必ず確認する

投資信託は「目論見書」が最重要 です。
・どんな株式・債券が組み込まれているか
・どんな運用方針か
・為替ヘッジあり/なし
・外国資産でドル建てか
・信託報酬・販売手数料はいくらか
こうした運用ルールが目論見書には全部書いてあります。
例えば、金利が低い局面は グロース株 が上がりやすいので、IT・テクノロジー系の投信が有利。金利上昇局面では ディフェンシブ株(生活必需)やバリュー株 中心の投信が有利。株式の理解 × 目論見書の照らし合わせ がセットになって初めて、投信投資は意味のある行為になります。
為替も同時に考えないといけない

為替ヘッジあり(為替の影響を受けない)
為替ヘッジなし(為替の影響をうける)
これからさらに円安が進むと読むなら、ヘッジなし でドル高の恩恵を取りに行く。円高方向に動くと読むなら、ヘッジあり で為替変動の影響を抑えつつ、高金利国の債券などを買う。為替を 逆に利用する、という発想が大事です。
結局、株・為替・債券を理解している人が強い
「投資信託はプロが運用してくれるから安心」? いいえ、まったく違います。
投資信託で大損している人もたくさんいます。2008年のリーマンショック直後は、世界中の投信が大幅マイナスでした。
投信のプロは、目論見書に書かれた ルール通りに買い付けるだけ です。
マーケットの動きをすべて読み切って運用してくれるわけではなく、ルールに従って機械的に買い、相場が悪ければ素直にマイナスになる商品です。
アクティブ運用で手数料の高いファンドなら多少の運用判断は入りますが、基本的には 自分で考えて、自分でタイミング判断する もの、と理解しておくのが安全です。
結論:金融リテラシーが必要不可欠

金融リテラシーがないのに金融商品を触るのは、戦争経験がないのにいきなりバズーカを持たされる ようなものです。扱い方もリスクも分からないままバズーカを連射すれば、大けがをするのは目に見えています。

だからといって「現金預金しておけば良い」というわけでもありません。
日本は1949年以降、約60年間ずっと 円高 でした。だから円預金がある意味で正解だった時代もあります。
でも、2013年からのアベノミクスで円を大量に刷って以降、もう円高方向には行きにくくなりました。
その金融緩和の副作用(インフレ+円安)がいま来ています。円安・インフレの時代に円預金100% は、資産が一気に目減りする戦略になってしまいます。だからこそ、ちゃんとした運用と知識が必要なのです。
ただし私自身、こだわりはなく、いまは状況によって円預金にも比率を戻しています。
・円の購買力が下がりそうなときは、円以外を持つ
・円の購買力が上がりそうなときは、円を持つ
ここ10年はほぼ円預金していませんでしたが、いまは円預金の比率を上げている時期もあります。世界のお金の流れを感じ取って、それを 「利用する」 くらいの気持ちで動くのが理想です。
金融知識をつける=お金を増やす力・減らさない力が身につく、ということ。皆さん、一緒に頑張りましょう♪
