【完全保存版】ここ10年で円安・株高が起きた経済サイクル|金融緩和×引き締めの読み方

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

「ここ10年で円はなぜ大きく安くなったのか?」「なぜ株価は急上昇したのか?」——答えは 「金融緩和と金融引き締めの大きなサイクルを読んだ人は、簡単に稼げる時代だった」 から。経済サイクルを理解しておくと、人生において相当な武器になります。

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お金を増やす・守るには、理解しないといけないことがある

お金を守るにも、投資で稼ぐにも、まず「金融緩和」「金融引き締め」を必ず理解する必要があります。 逆に言えば、ここを押さえておけば致命的な損失を避けられ、人生における大きな武器になります。

  • 2011年〜2021年までは、世界的な大規模金融緩和の時代
  • 2022年から金融引き締めに転換

これを理解せずに生きていると、損失が本当に大きくなります。なぜなら:

・ここ10年で円預金の購買力が急激に下がっている
・ここ10年は、知っていれば誰でも稼げる時代だった
・今後また来る稼ぎ時とリスクが、見えない

老後になってからこれを学ぶのですか? 老後から身につきますか? 学ぶなら頭が柔らかい10代から学ぶべきです。古文・漢文よりも、よほど人生で使う知識です。ぜひ最後まで読んでみてください。

水道の蛇口を開ける「金融緩和」

金融緩和
  • 日本でいうと、日銀がお札を刷る
  • 銀行から国債を買い取る(買いオペ)
  • 市場に出回るお金が増える(マネタリーベースの拡大)
  • マネーサプライ(実体経済に回るお金)も増える
  • お金が十分にあれば、その価値は下がる
  • 結果として金利が下がる

「金利が下がるので預金しても意味ないよね〜」
「企業は借りて事業投資しやすいよね〜」
「不動産が買いやすいね〜」
「ローンも組みやすいね〜」
「低金利だと株が魅力的だね〜」

みたいな空気感になります。

金融緩和を続けていると経済が活性化してくる

そして物価が上がり始める

物価高で一般庶民は困ってきます。

水道の蛇口を締める「金融引き締め」

2022年〜2023年、アメリカが政策金利を 4%以上 引き上げました。米国が深刻な物価高だったからです。

金融引き締めとは 「水道の蛇口を締めにいく」 ような状態です。

金融引き締めをすると…

金利が上がると、株のリスク・リターン魅力が相対的に下がります。配当利回りより預金金利のほうが高くなれば、わざわざリスクを取らなくても良くなるからです。

・不動産ローンの返済負担が増える
・家を買いづらくなる
・株の魅力が下がる
・「預金の方がいいね」と銀行預金者が増える

これにより消費が抑制され、物価が下がり始めます。

「金融緩和 ⇄ 金融引き締め」を繰り返している

不景気のとき → 金融緩和
物価が上がってくる → 金融引き締め
また景気が悪くなる → 金融緩和
物価が上がってくる → 金融引き締め

経済はこのサイクルを ずっと繰り返しています。この波に素直に乗っていけば、お金は守れますし、増やすこともできます。

2013年からのアベノミクスは「大規模な金融緩和」

政府と

日銀の黒田総裁が一体となって、アベノミクス(大規模な金融緩和) を10年以上続けてきました。

2008〜2009年のリーマンショックの傷を癒やすため

アメリカの低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)が焦げ付き、その流れでリーマン・ブラザーズが破綻、世界経済が大きく傷つきました。その2009年の傷を癒やすために、世界中で10年以上の大規模金融緩和が続けられた、というのが大きな歴史的構図 です。まずここを理解する必要があります。

10年以上、株価は上がり続けてきた

その結果、ここ10年は 株がほぼずっと右肩上がり でした。

だから、株が組み込まれている投資信託や個別株を持っていれば、どこで買っても結果的に儲かった時代 でした。銀行員が適当に売っても儲かるレベル。「インデックス投資が最強」と言われるようになったのは、この10年の追い風があったからとも言えます。

10年の緩和の副作用

ただ、この10年の大規模緩和には副作用があります。

アベノミクスにより、日銀が大量に円を刷ったため、市場に出回る円(マネタリーベース)が 約150兆円から600兆円へと4倍 に膨れ上がりました。

円が増えたということは…

量が増えれば、その通貨の価値は下がります(モノと一緒)。円の量が増えれば、円安方向に動きます。

物価が上がったのは「円の購買力が低下した」から

円の購買力が下がったから、海外から輸入する商品の価格が跳ね上がり、iPhone をはじめ多くの輸入品が値上がりしました。

これは 日本の需要が強くて起きるインフレ ではなく、供給コスト側で起きる「コストプッシュ型インフレ」。庶民にとって一番苦しいタイプのインフレです。

アメリカは政策金利を一気に4%以上引き上げた

2022年から、米FRBは政策金利を一気に4%以上引き上げました(いわゆる「利上げ」)。一方、日本はゼロ金利が続いています。これにより日米の金利差が大きく開きました。

日米金利差

金利が高い方の通貨にお金は流れます。

金利差で為替が円安に振れる

結果として、ドル高・円安がさらに加速し、1ドル=135円台に。10年前の1ドル=約80円から比べると、ものすごい円安です。

円安で大企業は儲かりやすい

円安になると、世界に輸出している大企業は利益が出やすくなります。理由はシンプルで——アメリカに車を売ればドルでもらえる。欧州に車を売ればユーロでもらえる。海外通貨を円に戻したときの金額が、円安だと 多くなる。だから円が安いほうが、輸出企業は儲かるのです。
※ 海外に工場を持っていて現地生産・現地販売の企業は、為替の影響が小さくなります。

円安は、海外にモノを売るときには大きな追い風になります。

自民党のバックは経団連

自民党の支持基盤は経団連(世界に物を売る大企業の集まり)。だから、円安・株高を生むアベノミクスは、大企業にとっては救世主のような政策でした。ソニーの株を10年前に100万円分持っていたら1,400万円になっているくらい、株式市場は絶好調だったのもこの構造です。

消費税は、実は大企業にとっては「上げてほしい」税

これは多くの人が知らないことですが、消費税が上がると大企業はさらに潤います。仕入れ時に下請けに支払う消費税は経費にできて、海外に輸出した分は 消費税が還付金として戻ってくる ためです。だから、輸出大企業にとって消費税アップは構造的に増収要因。

大企業は 円安・インフレ・消費増税で潤い、庶民は 円安・インフレ・消費増税で苦しくなる——大企業と庶民は逆の関係にあります。

これが分かれば、大企業の株を持つことが 庶民側のヘッジ になることに気付くはずです。庶民の生活が苦しくなる局面ほど、大企業の株は上がりやすい、という構造になっています。

アベノミクスのねらいを思い出す

アベノミクスは:
・円を大量に刷り
・円安に誘導(政権は「誘導していない」と言い続けたが)
・株高を誘導し
・インフレに誘導
——という大企業向け+資本家向けの政策パッケージでした。

インフレにするとはこういうこと

インフレとは、要するに 円の購買力が目減りしていく ことです。

アベノミクスの本質が見えていたので

「円預金は目減りする、その分株価は上がる政策」だと早い段階で読んでいたので、周りの人に「株を持ったほうが良いよ」と何度も伝えました。多くの人は聞く耳を持ってくれませんでしたが…。

私の親は投資信託をしっかり保有していたので、分配金も増え、キャピタルゲインも積み上がり、結果として 1,000万円〜2,000万円規模の恩恵 を受けました。ただの一般庶民の親です。それくらい、アベノミクスは「誰でも稼げるチャンス」だったのです。多くの国民にとって、本来なら豊かになれた絶好の機会だった、ということです。

2023年からの未来をどう見るか

ここからの未来はどうなるか。アメリカは依然として物価高に苦しんでいます。物価を抑えにいくフェーズです。米国株インデックスはバブル気味に膨らんでおり、「世界株/米国株インデックスが最強」みたいな声を、株を始めたばかりの初心者からも聞くようになりました。多数派が安心している局面は、相場では危険信号です。

これからどう動けばよい?

株が下がる局面は、債券の価値が上がります(金利低下 → 既発債券の価格上昇)。詳しくは別の機会に書きますが、覚えておくべき関係です。

株を持つべきか、キャッシュにすべきか、債券を持つべきか——資産の価値は常に変動しています。経済サイクルを理解せずに投資することがいかに怖く、もったいないことか、皆さんに少しでも伝われば幸いです。

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