四季報の大株主が投資判断で意外と大事な理由|オーナー・機関・個人で需給はこう変わる

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投資判断のときに、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)は当然見ますが、実はもう一つ見逃せないのが 「大株主」 です。誰がどんな目的で株を持っているか が分かると、その銘柄の「需給の腰」が見えてきます。

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大株主としてどんな人たちが持っているか?

私は投資判断のときに損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書はもちろん見るのですが、意外と大事なのが大株主です。その銘柄の大株主に「どんな人達」が並んでいるかを、わりと重要視しています。これは短期投資ではあまり意識しません。少し長めに持つとき、特に長期投資 では大きな判断材料の一つになります。なぜなら、大株主の顔ぶれによって、腰が据わった株 なのか、目先上がればすぐ売りが出そうな株 なのかが、ある程度見えてくるからです。

大株主にはいろんな種類がある

大株主と一言で言っても、その性格はバラバラです。

  • 自社(自己株式・自社株買い)
  • 創業者オーナー(個人)
  • 外国人機関投資家
  • 個人トレーダー(資産家)
  • 国内機関投資家(投信・年金・生損保)
  • 証券会社・銀行・政府(政策保有・信託口)
  • ヘッジファンド(短中期)
  • ベンチャーキャピタル(VC)
  • 業務提携している取引先(事業会社)

大株主は大量の資金を持っています。買い増しもしますし、大量に売りを出すこともあります。当然、市場への影響力は大です。残念ながら大株主を見ただけで未来予想ができるわけではありませんが、大株主のタイプごとに「ありがちな行動パターン」があります。

創業者オーナーは、よほど資金繰りに困っていない限り、市場に株を放出したがらない傾向があります。自社も、自社の業績が良いと判断すれば安いところで自社株買いをしますので、そういう銘柄は市場にあまり売りが出てきません。

外国人機関投資家はある程度長いスパンで保有する傾向があるため、外国人比率の高い銘柄は腰が据わっているとも言えます。ただし、業績が悪化したと判断した瞬間に 投げ売り圧力に変わる ことには注意が必要です。

個人トレーダーが大株主のケースでは、キャピタルゲインが乗った瞬間に大量の売り圧力として市場に出てくる可能性が高いです。このようなタイプ別の見方で大株主を確認しています。

そーせいの大株主はいまだに五味大輔氏。
そーせいの大株主はいまだに五味大輔氏。

そーせいグループの大株主で一番株を持っているのは、いまだに 五味大輔氏。個人トレーダーでここまで資金を増やして大株主になった、本当にすごい方です。ただ投資家目線で見れば、株価が上がってくると五味氏の大量売りが待ちかまえていそうで、私はそーせいを買う気にあまりなれませんでした。このように キャピタルゲイン目的の投資家なのか、オーナーのように売りを出してこない大株主なのか という見極めが、実は意外と効きます。

議決権の閾値(3分の1・過半数・3分の2)を覚えておこう

株式を 50%超 持っていると、株主総会の 普通決議(取締役の選任・剰余金の配当など)を単独で可決できます。さらに 3分の2以上 なら、定款変更や合併・会社分割など重要事項の 特別決議 も単独で通せます。逆に 3分の1以上 持っているだけでも、特別決議を阻止できる 「拒否権」 を握れます。

つまり、株主構成によって会社の意思決定の自由度がまるで変わる、ということです。代表例が大塚家具で、現在の大株主はヤマダ電機(現ヤマダホールディングス)。ヤマダ側の戦略の影響を強く受ける構造になっています。

大塚家具の大株主はヤマダ電機
大塚家具の大株主はヤマダ電機

大塚家具の大株主は、現在ヤマダ電機(ヤマダホールディングス)となっています。

日産だったらルノー

日産自動車であればルノーが大株主です。ルノーの影響を当然受けるため、日産はルノーの持ち株比率を少し下げて欲しいと、カルロス・ゴーン氏の海外逃亡前後から繰り返し主張しています。ルノーの筆頭株主はフランス政府ですから、間接的にフランス政府の影響も受ける構造になっており、これは経営側にとって相当やりにくい状況です。ルノーに救済してもらった経緯を考えると、そろそろ関係性を整理したい、というところでしょう。

ルノーCEO

理想は、腰の据わった大口投資家が継続的に資金を入れてくれて、株をどんどん買ってくれる企業に投資 すること。こういう銘柄は、大きなトレンドとして相場が動きます。個人投資家だけの買いは「ババ抜きゲーム」になりやすく、持続的な上昇は見込みにくい、というのが昔から言われていることです。

日本市場は外国人投資家の売買シェアが大きい(一時期は6〜7割と言われた)ため、外国人が好む銘柄はトレンドが出やすい 傾向があります。ウォーレン・バフェット氏の日本商社株への大量投資のように、有名投資家が買いに入ってきた銘柄は需給がガラっと変わります。大株主は、見ているだけでも面白いものです。

大株主を見るときの実戦的チェックリスト

  • 上位10名の 顔ぶれの種類 はどうか?(オーナー系/機関系/個人系のミックス)
  • 創業者・自社の保有比率は 50%超/3分の1超/3分の2超 のどこにあるか?
  • 外国人株主比率はどれくらいか?(特に 30%以上 はトレンドが出やすい一方、リスクオフでは売られやすい)
  • 政策保有(銀行・取引先)は多いか?(多いと需給は重いが、改革で売却が出ると下落リスク)
  • 個人有名投資家が単独で上位にいないか?(出口で大量売りリスク)

四季報を見る上で参考にさせてもらっている本です↓↓↓

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